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理系の研究室生活(B4, M1, M2)で設定すべき達成目標は?

○研究室でどんな能力が求められているのかがわからないんだけど。
○同期とテーマも研究分野も違うからそもそも比較しようがないし。
○B4、M1、M2でどのような目標を設定するべきか教えてほしい!

 

この記事では上記の疑問・要望にお答えします。

 

本記事の内容

  • B4:まずは自分のテーマを理解し、+αにトライ
  • M1:自分のテーマで成果を創出する(学会発表、論文投稿)
  • M2:新規テーマを提案して採用される経験をしよう

バイオ系大手企業で基礎研究職に従事しているくりぷとバイオ(@cryptobiotech)です。

学部4年(B4)~修士2年(M2)までの3年間で、筆頭著者の論文を複数投稿することに成功しました。

研究室生活をどう過ごすかでその後の人生が大きく変わる」というのは、もはや言うまでもない事実だと思います。

しかし、いざ研究室に配属された後に「B4~M2でどういう能力を身に付けておけばいいのか?」と深く考えたことはありますか?

バイオさん
バイオさん
「ここまでできていれば及第点」という指標がないから、何したらいいかわからないよね…。
コロぽち
コロぽち
まあ個々人でテーマも違うし、そこで定量的な基準を出すのは難しいだろ。

とはいえ企業研究者になった今、

ここまでできていればそのB4, M1, M2はかなりレベルが高いな

と思う基準が見えてきたので、当記事ではそれを解説しますね。

この記事はこんな方におすすめ
  • 研究室に入ったものの、何をすればいいのかわからないと悩む方
  • B4、M1、M2でどこまでできていれば及第点なのか?という基準が欲しい方
  • 自分がどれくらい成長しているのかを確かめたい方
この記事は3~4分でサクッと読めます。

B4:まずは自分のテーマを理解し、+αにトライ

院試までの前半は与えられたタスクに全力を尽くそう!

先輩から与えられた論文にメモしているところ

B4は研究室に入ってすぐは「何をすればいいのかわからない」という状態から始まります。

それゆえまずは、自分自身でとにかく動くのではなく指導教官や先輩から与えられたことを全力でこなします。

そのこなしていく過程で、

  • 自分のテーマの最先端は今どういうことがホットなのか?
  • 自分のテーマの研究領域ではこれまでに何が研究されてきたのか?
  • 研究室ではその領域に対してどういうアプローチをとってきたのか?
  • それらを加味して今の自分のテーマでやるべき事は何か?

ということを自分の中でまとめます。

最初の段階では、先輩から渡された論文を読むことも多いでしょう。

ただし焦ることなかれ。

気を付けてほしいのは「先輩から渡された英語論文を翻訳しながらいきなり読まないこと」です。

コロぽち
コロぽち
そうしないと英語を翻訳して、翻訳後の日本語もどういう意味か調べないといけないんだよな。

例えば「Regenerative Medicine」って何?と日本語を調べて「再生医学」と出てきても、そもそも日本語の意味がよくわからないという…。

バイオさん
バイオさん
ただでさえわからないことだらけなのに、二度手間で全然論文が進まないのは心が折れる…。

まずは自分の研究領域の日本語レビューを読みまくることが重要です。

英語論文をガッツリ読み込むのは、その研究領域の概要をサラッと理解してからでも遅くない。

何事もまずは基本から!

院試が終わるまでに研究領域の基礎知識が習得できていると、院試後から良いスタートが切れます。

コロぽち
コロぽち
いきなりドヤ顔で英語論文から読み始めて、全然理解できずに心が折れたヤツが何か言ってる笑
バイオさん
バイオさん
それ暴露しちゃう…?

院試後はとにかく実験せよ、論文読め、実験せよ、論(略

ガムシャラに色々なことをこなしている人

院試後にあなたがやるべきことは以下の通りです。

  • 院試前にやっていたことの復習(先輩を活用せよ)
  • 実験、実験、実験、実験、そして実験
  • 論文からの論文&論文、そして論文に始まり論文で終わる

順々に説明します。

院試前にやっていたことの復習(先輩を活用せよ)

過去の情報を調べなおしている人

院試をめでたく突破した後は、まず院試前にやった実験や読んだ論文の知識を思い出すことから始めましょう。

羽目を外していきなり「ヒャッハァァァ!! 実験だァァァ!!」とか始めちゃうと、

コンタミ起こして先輩からフルボッコ食らうので注意が必要です。

コンタミ(コンタミネーション)

科学実験における異物混入や汚染を指す言葉。

無菌培養下の細胞がコンタミしてしまうと除菌作業などで1~2週間実験が止まる。

しかも細胞を培養する機械は研究室共通なので先輩たちの実験も止まる。

つまり袋叩きにあう。

「コンタミ」は生物系科学者を震え上がらせる恐怖の言葉。ドラクエで例えるとザラキーマ

ちなみに自分だけで思い出そうとするとけっこう時間がかかります。

ですので、ある程度の復習が完了したら、

このテーマの最先端と、自分がやるべきことってこういうことでいいんですよね?

と先輩に聞いてしまうのがおすすめです。

コロぽち
コロぽち
先輩もなんだかんだ頼られるのが好きな生き物だからな。どんどん頼ろう!

自分の研究テーマの背景が思い出してきたら、いよいよ自分のテーマを本格的に進めます。

実験、実験、実験、実験、そして実験

とにかく実験を繰り返しているところ

院試前のことを思い出してきたらいよいよ本番。

 

実験せよ

 

コロぽち
コロぽち
というわけで本記事は以上です。
バイオさん
バイオさん
ちょっとそこ静かにしてもらっていい?(キレ気味)

卒論に向けてとにかく実験を繰り返しましょう!

ただし気を付けるべきは「1人で物事を進めないこと

周りを巻き込むことが研究をうまく進める上で肝要です。

あと実験結果を出して簡潔に考察したら、その都度先輩に相談して頼りまくるというのがおすすめ。

1人で進めるよりも優秀な先輩とディスカッションした方がよっぽど成果創出の時短になるので、

「頼るのは申し訳ない…」という遠慮心は捨てましょう。

バイオさん
バイオさん
社会人でいえば報告・連絡・相談ですね。

また、余談ですが僕は卒論までの目標としてM1で学会に出るための成果を絶対出す!ということを掲げていました。

なぜならM1が始まって比較的すぐに「秋の学会申し込み募集」の通知が来るから。

それを達成するにはB4である程度まとまった成果がないといけません。

どうしても同世代の研究者がどんなレベルなのかを肌で実感したかったので、B4の頃はガムシャラでしたね。

いま振り返ってみると、卒論で良い結果を出せるように頑張るのは当たり前。

B4で達成すべきチャレンジングな目標としては、「M1で学会に出るためのデータをB4で取り終わる」が良いでしょう。

コロぽち
コロぽち
こいつこんな大層なこと言ってるけど、B4の頃は全然やる気なくて先輩からめっちゃdisられたことあるからな
バイオさん
バイオさん
そりゃ研究室があんな厳しいとは思っていなかったからね(白目)

論文からの論文&論文、そして論文に始まり論文で終わる

大量に積み上げられた論文の山

実験をとにかくするだけでなく、日々論文に目を通すことも大事ですね。

B4の頃は自分の研究領域だけに特化して学習していくでも良いですが、

1つの分野だけだとなんとなく飽きる場合はニュースサイトを活用するのが吉。

「科学の情報を日々仕入れる」ということが習慣づけられるだけでもB4は十分かと。

あと、院試後は少しずつ英語論文を読むようにしましょう。

具体的な作業量としては、週に1報しっかりと隅々まで読み込むということをしていればOK。

Nature、Cell、Scienceの御三家クラスの論文は、必要になるまでまだ読まなくても良いですね。

バイオさん
バイオさん
多分読んでもレベルが高すぎて何のこっちゃ状態になります…。
コロぽち
コロぽち
まあ再生医療で例えるなら「Cell Stem Cell」はハードル高いな…。インパクトファクター的には「STEM CELLS」くらいが良いのかも。

B4で達成すべきチャレンジングな目標としては、

「英語論文を読むことを習慣づけて、それを先輩たちに要約して説明するクセをつける」

くらいが良いかと思います。

 

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M1:自分のテーマで成果を創出する(学会発表、論文投稿)

少しずつ確実に成長していく図

M1になったらもう「自分のテーマを理解する」ということは終わりにしましょう。

自分のテーマを理解することから、自分のテーマで成果を創出することが求められます。

コロぽち
コロぽち
お前が言う成果って何だよ?
バイオさん
バイオさん
やはり研究者は学会発表か論文投稿でしょう!

M1秋の学会に出たいのであれば、M1の5~6月の段階である程度「こういった結果で発表します」という成果がないといけません。

B4で怠けてしまうと、研究室同期がどんどん学会に行くようになって焦ります。

なおM1で意識しておきたいことは以下の通りです。

  • 学会ではとにかくアピール&知り合いを増やす
  • 学振の申請に向けて論文投稿を意識する

学会ではとにかくアピール&知り合いを増やす

学会会場にいるたくさんの人

学会発表は「自分の研究成果を世の中に知ってもらうこと」が最重要です。

ただし同じくらい大事だと個人的に思うのは「自分と同世代の人間がどれぐらい凄いかを知ること」です。

M1にもなると成果を出す人と出せない人が研究室同期の中でも分かれてきますよね?

仮にあなたが最も研究室内で成果を出していたとしても「自分が最も成果を出している」と誇ってしまうのは「井の中の蛙」です。

バイオさん
バイオさん
世の中にはもっとすごい同世代の研究者がたくさんいますよ!

だからこそ学会発表では自分の研究を発表するだけでなく、ぜひ他の人の発表も積極的に聞いてください。

そして自分が凄いと感じた同期とは今のうちに知り合っておきましょう。

ちなみに学会に行くと「企業研究者の方とディスカッションしてみたい…」と思う方もいらっしゃるのではないでしょうか?

自分も院生の頃は「企業研究者の人にアピールして、あわよくば名前を売るぞ…!」と思っていたので気持ちはよく分かります。

しかし企業研究者になってみて思うのは、「学生と話すこと」を学会参加の目的としている人は非常に少ない。

企業研究者が学会に参加する主目的は「有力な情報を集めること」と「先生方への共同研究提案」などです。

有力な情報を集めるために学生と話すことは多々ありますが、それは情報を仕入れるためであって主目的ではないのです。

したがって学生の段階で企業研究者にアピールすることは考えなくてOK。

それよりもよっぽど大事なのは自分を外部にアピールすることであり、

学会で自分と同世代の学生とたくさん繋がったり、若手会ではしゃいだりすることです。

M1のチャレンジングな目標として「学会に参加して研究室外の科学者たちとたくさん繋がる」ということを挙げておきますね。

学振の申請に向けて論文投稿を意識する

学振を申請するための論文執筆

M1に学会を経験すると「凄い人がいるなぁ」と知ることができ、良い刺激を得られると思います。

研究で生きていきたいなあと思う人も出てくるのではないでしょうか。

そろそろ「博士課程進学」というものが1つの選択肢として現れてきますよね。

 

就活か、進学か。

 

非常に悩むと思いますが、仮に博士課程に進学するのであれば、やはり学振を申請することが重要かと。

学振に通れば月に200,000円位いただけるので、少なくとも生活に困ることはなくなり、全力で研究に没頭できる…!

そういう意味で学振はM1の段階から目指すべき目標の1つだと思います。

それを目指すにあたって、筆頭著者で論文を投稿していることがとても重要。(必須というわけではありませんが)

そうなるともうM1の秋頃で論文投稿の準備をしないとM2の学振申請に間に合いません。

したがって僕は学会から帰ってきたらすぐに「論文を書かせてほしい」と先生に相談し、

  • どういう論文としてまとめるか
  • どういう図が必要か
  • どこに投稿するか?

などを相談してM1の10月頃から本気で論文を書き始めました。

初の論文投稿は想像以上に大変でしたが、なんとかM2の夏前には筆頭著者で論文投稿することができました。

コロぽち
コロぽち
成功体験みたいな書き方してるけど、つまり学振の申請までには間に合ってないんだけどなw
バイオさん
バイオさん
良いところに気付いたね…。リバイスが1回で終わっていれば間に合っていたんだよ…!泣

M1の段階で論文を執筆する経験は博士課程に進学しても就職しても絶対に役に立つので、ぜひトライしてみてください。

とはいえ修士の段階で論文を書かせてもらえるかは研究室によって異なるのでケースバイケースです

 

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M2:新規テーマを提案して採用される経験をしよう

数あるテーマの中から新規テーマを閃いた瞬間

M2になったら与えられたテーマをこなすことに加え、新規テーマを提案して採用されることを目標にしましょう。

博士課程に進学しても、企業に就職したとしても、新しいことを提案する力は必須です。

なぜなら誰かから与えられたテーマをただやるだけであれば、今はAIだったり、そのAIを活用したロボット等がやってしまうから。

今後AIロボットに負けないためにも、自分で新しいものを創造するという経験をぜひ積み上げていってもらいたいと思います。

ちなみに新規テーマを提案するコツは以下のような感じです。(また別記事で詳細に記事にしようかと)

  • まず自分が今やっている研究テーマの延長線という位置づけは崩さない(完全新規テーマはボスが許可しません)
  • 今の世の中の課題は何か?という視点を身に付ける
  • 「そのテーマに取り組めば何を明らかにできるか?」をしっかりと自分の頭で理解する
  • 何度も上位者とやりたいテーマに関して議論し、足りていない部分を徐々に追加していく

ちなみに課題提起は、

例えば地球温暖化とかマイクロプラスチックゴミ問題とかの社会課題でも結構ですし、

自分がやっているテーマの課題解決でもOKです。

いずれにせよ論文を片っ端から読んで、

バイオさん
バイオさん
今ここまでできているけど、何ができていないのか?
バイオさん
バイオさん
5~10年後にこれができていればブレイクスルーになるか?

と考えるのがテーマ提案の肝ですね。

ぜひM2の間に新規テーマを創出し、新しい研究室テーマにできるように挑戦してみましょう!

素晴らしい研究室生活を送って、研究者として羽ばたこう

まとめ
  • B4:まずは自分のテーマを理解し、学会発表に必要な成果創出(+α)にトライ。
  • M1:学会発表で多くの研究者と話そう。論文投稿も視野に入れよう。
  • M2:研究室の次世代を担う新規テーマを提案して「新しい価値を創造する力」を磨こう。

研究室生活は色々なことが起こりますが、振り返ってみるとかけがえのない時間でした。

そう思えたのも、辛いことを我慢してやりきったからかと。

バイオさん
バイオさん
本当に辛かった…本当に…辛かった…。
コロぽち
コロぽち
トラウマ化してるじゃねえか

皆さんもぜひ素晴らしい研究室生活を送って、良き研究者になってくださいね。

ではではっ

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くりぷとバイオ
くりぷとバイオ
研究を一生続けていくため、まずお金の不安を解消すべく副業を始めた20代科学者。 旧帝大を修士で卒業後、大手企業で基礎研究職に従事。 研究室時代はストレスで心身を病みながらも日夜実験に取り組み、運良く筆頭著者論文を複数投稿することに成功した苦労人&棚ぼたマン(自称)。 暗号資産の面白さ・可能性に惚れこみCoinMarketCapの銘柄を全部調べた経験あり。