学部卒で研究職につきたいのですが可能でしょうか?
どのようにすれば内定がもらえるのか、方法があれば知りたいです。
当記事では上記のご質問、悩みにお応えします。
本記事の内容
大学を修士課程で卒業後、企業で日々研究に取り組んでいるくりぷとバイオ(@cryptobiotech)と申します。
学部生の就活で全滅→院進学→大手の研究職(今は基礎研究)という流れで今に至ります。
学部生で就活失敗した当時を振り返り「どうしたら学部生で研究職に就職できていたのか?」についてまとめてみました。
学部卒で研究職は決して不可能ではないと思うので、僕の失敗談と共に解説しますね。
数分で読めますので、どうぞご覧ください。
目次
【前提】学部卒で“大手の”研究職は狭き門
まず最初に、これは絶対お伝えしておくべきことですが、学部卒で“大手の”研究職に就くのは狭き門です。
不可能ではないと思いますが、難しいという事実は自覚しておくべき。
その理由は以下の通り。
- 修士卒や博士卒と比べると学部生は“実績”で負けるから
- 企業が社員を教育する余裕が無くなりつつあるから(即戦力が欲しい)
順々に説明しますね。
修士卒や博士卒と比べると学部卒は“実績”で負けるから
学部卒は3年後期から研究室配属されたとしても、就活が本格化する(例:3月)まで半年程度しか研究ができません。
一方で、3年後期から配属されたと考えると、修士卒は2年半・博士卒は5年半研究をしています。
これがどれほどの差かと言うと、スポーツ(例:バスケ)で考えてもらえば良いと思います。
仮に博士卒を「高校3年生」と定義すると、修士卒はそれよりも3つ下になるので「中学3年生」です。
学部卒はそれよりも2つ下になるので「中学1年生」になりますね。
さらに中学1年生はバスケを半年、中学3年生は2年半、高校3年生は5年半バスケをやっています。
さて、この状況で中学1年生はどうすれば勝てるでしょうか…?
普通に戦ったら、中学1年生が99%負けると思います。
実際に学部卒で研究職を狙うのも、これくらいの難易度だと思っておいた方が良いですね。
それゆえ、学部卒で研究職を狙いたい人は早い段階から戦略を練りましょう。
企業が社員を教育する余裕が無くなりつつあるから(即戦力が欲しい)
企業はいま業績が厳しいところも多く、新卒で入った社員全員に対して何年もみっちり教育する余裕がなくなってきていると感じます。
その証拠に“中途採用”を増やすところが増えてきています。
例えばリクルートワークス研究所の「中途採用実態調査(2018年度実績、正規社員)」によると以下のような情報が記載されています。
・2018年度の中途採用実績は前年の1.46人から1.61人へ 転職者が増える
・必要な人数を確保できなかった企業が過去最高に
このように「中途採用≒即戦力」を求める風潮が強まっています。
それは研究職も同様で、「研究をやってきた」とアピールするには修士号、望ましくは博士号が必要だと考えます。
それゆえ明確な実績が無く、ある意味“将来性”を示すしかアピール方法が無さげな学部卒では研究職に就くのが難しいですね…。
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学部卒で研究職の内定を獲るためにやるべき3つの行動
僕が学部卒で研究職の内定を獲るためにやるべきだと思う行動は以下の通りです。
- 研究室配属前から研究して成果を挙げる
- 就活サイトや四季報で隠れ大手、中小企業、ベンチャーを探す
- OB/OG訪問を通じて学部卒研究職の方を探す&質問攻め
順々に説明していきますね。
研究室配属前から研究して成果を挙げる
学部卒としての弱点が“業績がないこと“であるなら、業績をつくれば良いだけです。
僕の知り合いに、学部2年生から自主的に研究室の門を叩き、大学の授業後に研究室に通い続けて実験していた人がいます。
その知り合いは平日だけ通う形態でしたが、結果的に学部卒でBtoB系の大手素材メーカー研究開発職に内定もらってました。
学部卒で研究職の内定を獲るためには、せめて修士卒に匹敵する実績は欲しい所です。
論文執筆は少々ハードルが高いですが、学会での発表経験なら1~2年研究経験を積めば可能だと思います。
僕が仮に人事なら「4年生なのにどうやって学会に行ける成果を出したの?」って絶対に興味持ちますね。
それは修士卒よりも注目を集める可能性が高い。
それゆえ「配属前に研究する」は、学部卒で研究職の内定を獲るために最もおすすめしたい行動ですね。
就活サイトや四季報で隠れ大手、中小企業、ベンチャーを探す
次におすすめなのは就活サイト(リクナビやマイナビでOK)で「研究職」と検索してみること。
検索すると数百件くらいの検索結果が表示されますが、それらの「採用情報」を見てみましょう。
そこに書かれている研究職の募集要項を見ると「学部卒」も対象になっている企業がいくつも見つかるはずです。
CMとかでよく見る”超大手“はそもそも募集人数も尋常じゃなく多いので、研究職の募集枠を「大学院以上」としがち。
その条件でも優秀な学生さんがたくさん集まるからです。
一方で「CMを流してないから著名度は低いけど実は隠れ優良企業」みたいなところは探したら意外とありますね。
「CMをバンバン流している企業だけが優良企業である」ということは決してないので、ぜひ一度探してみてくださいね。
あと、実際に興味深い企業が見つかった際は下記のような「四季報」を読むのがおすすめ。
企業によっては「院卒を○○人、学部卒を▼▼人採用した」という情報が書かれていますので。
就活サイトと四季報をセットで企業を評価すると、今まで知らなかった学部卒の募集要項に気付けるのでおすすめです。
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OB/OG訪問を通じて学部卒研究職の方を探す&質問攻め
3つ目におすすめしたいのは「OB/OG訪問を活用すること」です。
なぜOB/OG訪問を活用すべきかというと、実際に学部卒研究職の人と出会える可能性があるから。
今はビズリーチ・キャンパスやMatcher(マッチャー)などのOB/OG訪問用ツールもありますので訪問の難易度は下がっています。
僕が仮に学部卒で研究職を狙うなら、上記ツールを使って以下のように行動しますね。
- OB/OG訪問ツールを用いて興味のある企業の研究職にコンタクト
- 学部卒か院卒かは関係なく、まず予定があった人と会って話す
- 会って話が弾んだあたりで「学部卒で研究職の知り合いはいますか?」と聞く
- もしいればお願いしてその人とコンタクトを取らせてもらう
- 学部卒研究職の人から就活のノウハウを聞きまくる
僕もそうですが、企業人にはOB/OG訪問を積極的に受ける人がいます。
それゆえ、そういう人を捕まえて根掘り葉掘り聞きまくるのは本当におすすめ。
学部卒研究職の方から実際に聞ける就活アドバイスほど価値あるものはないですので。
ちなみにビズリーチ・キャンパスやMatcher(マッチャー)は年次関係なく無料で使用できます。
学部卒で研究職に就くことを狙うなら早めにOB/OG訪問はした方が良いので、ぜひ活用してみてくださいね。
学部卒の研究職は難しいけれど不可能な話ではない
というわけで「学部卒で研究職は難しいけど不可能じゃない」という話をしました。
学部卒で研究職を狙うよりも絶対に修士卒で研究職を狙ったほうが良いと考えますが、そこは人の自由ですし正解はありません。
当記事で解説した3つの方法のように、学部卒でも戦える武器を自ら手に入れることはできます。
どうしても興味があるならとりあえずやってみて、ダメだったら他のことに挑戦すればいいのかなと。
自分に後悔しないように選択するのが一番なので「学部卒で研究職に挑戦する!」と決めたのならとことんやりましょう!
挑戦すれば道が開けるかもしれませんので!
というわけで当記事は以上です。
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ではではっ
大企業研究職のメリットデメリットを知りたい方は以下の記事もどうぞ。
関連記事 大企業で研究職に就くメリットデメリット5選【企業人が本音で語る】