研究室配属されたばかりの初心者なんですが、研究者に必要な能力って何ですか?
研究をやっていくにあたり、おすすめの書籍などあれば知りたいです。
当記事では上記の疑問にお答えします。
本記事の内容
- 前提:研究初心者に伝えたい「研究者に必要な能力」とは
- 研究初心者におすすめしたい良書まとめ【カテゴリ別に】
- 研究初心者から脱するには実践あるのみ!
修士で大学を卒業後、大手企業で研究をしているくりぷとバイオ(@cryptobiotech)です。
休日に本を読むのが趣味の1つ。
当記事では研究室に配属されたばかりのあなたに向けて、これは読んでおくべきと思う書籍を紹介します。
あと書籍だけでなく僕が使っているアプリやサイトなどの情報もサラッと載せています。
2~3分で読めますし、弊記事の書籍を読んでいただければ研究初心者のあなたに役立つはずです。
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目次
前提:研究初心者に伝えたい研究者に必要な能力とは
僕のおすすめ書籍を紹介する前に、まずは「研究者に必要な能力」について簡単にご説明します。
個人的に、研究者に必要だと思っている能力は以下の通り。
- 実験スキル(仮説検証力)
- 情報収集力
- プレゼン力
- 文章力
- 語学力
- 指導力
1つずつ解説していきます。
実験スキル(仮説検証力)
まず研究者としても最も重要なのが仮説を検証する力、すなわち「実験スキル」です。
これはプロ野球選手で例えれば、ヒットやホームランを打つために必要な基礎力のようなもの。
コンサルタントで例えれば、情報収集して重要なポイントをわかりやすくまとめる能力のようなものです。
研究者は、実験スキルがないと話になりません。
最近だと色々な実験を代行してくれる委託業者があるので、本人が卓越した実験スキルを持っていなくても仮説検証ができるようになりました。
それを考えると「別に実験スキルなんて無くても良くね?」となるかもしれません。
が、委託業者に実験を頼むとめちゃくちゃ費用がかかりますし、企業ですらそんなにホイホイと委託することはできません。
あと委託業者はルーティン作業には強いですが、カスタムされた実験系をお願いすることはできなかったり不便なことも多い。
それゆえ技術が発達し、AI実験ロボットが普及した現代ですら、依然として自らの仮説を検証する「実験スキル」は必須です。
情報収集力
実験スキルの次に必須(もしかしたら一番大事かも)な能力は「情報収集力」です。
とはいえ情報収集力といっても漠然としているので、具体例を下記に示します。
- いま世界で何が起こっているかを広く俯瞰する力
- 自分の研究テーマの最先端を把握し続ける力
- 自分の競合ラボの研究をウォッチし続ける力
- 自分の研究分野と関係ないが、世界のホットトレンドである研究分野を理解する力
研究者といえど、自分の世界に閉じこもっていては1人よがりな研究者になってしまいます。
視野を広げて世の中のトレンドを掴み続けなければ、あっという間に時代遅れの研究者になるのが今の世の中。
これだけ膨大な情報が溢れる中、適切な情報を抜き出して自らの血肉にできる能力はもはや必須能力とも言えます。
これからの時代、「情報は最も価値あるもの」という意識が大事。
プレゼン力
研究者にとって必要なのは、自分の研究を全く知らない人たちに「その研究面白いね!」といかに思わせるかです。
要するに「プレゼン力」は必須。
どんなに素晴らしい研究をしていたとしても「で、何が面白いの?」を説明できないと、その研究が有名になることはありません。
「この研究の価値が理解できない馬鹿な奴らめ!」という思考が通用する時代ではもうないのです。
言い方が正しいかは微妙ですが、自らの研究成果を一般人の方々に「営業トーク」するくらいの気概が研究者には求められます。
文章力
前項のプレゼン力と「伝える」という意味で類似していますが、研究者にとって文章力は本当に重要です。
あなたがやっている研究はどんな価値があるのか?
あなたの研究はなぜ今やる必要があるのか?
研究の要点を言語化してわかりやすく簡潔に説明できる力は、研究資金を獲得するためにも必須。
「別に文章力なんて無くても、本当に価値ある研究なら皆が認めてくれるだろ!」
と思っている人はぜひ指導教官にその言葉を言い放ってみてください。
多分フルボッコにされると思います。
あと論文を書く際には文章力は当然必須になるので、ぜひ磨いておきたい能力ですね。
語学力
研究者にとって「語学力」は避けては通れない道です。
断言しますが、日本語しか話せない若手研究者は価値が無いです。(僕のことです)
下記書籍でも書かれておりますが、日本が技術大国だった時代はもう過去の話で、今や衰退の一途をたどっています。
これから日本人研究者はどんどん世界に出ていかなければ生き残れない時代になってきています。
グローバルな競争社会で生き残るためにも語学力は必須素養ですね。
指導力
研究で大きな成果を残すためには「指導力」も重要になります。
なぜならあなたの下についた後輩や部下が優れた人材になってくれなければ、1人では到底出せない優れた成果を創出できないから。
優れた後輩を部下を育てることができなければ、慕ってもらえなければ、あなたはいつまで経っても「個人プレイ」で研究をすることになります。
しかし「集団プレイ」で研究ができるようになれば、今までにできなかったことが一気に進むようになります。
研究者として生き残るためには、後進を育てる「指導力」も身に付けておきたいところ。
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研究初心者におすすめしたい良書まとめ【カテゴリ別に】
というわけで「研究者に必要な能力」に関して解説しました。
それでは実際に僕がこれまで読んできて「参考になったな」と感じる良書をご紹介しますね。
前項のカテゴリごとに書籍紹介しますので、あなたが最も伸ばしたいと思う能力と関連する書籍からご一読いただければ幸いです。
実験スキル(仮説検証力)に関連する書籍
実験スキル(仮説検証力)を磨くためにおすすめしたい書籍は下記の通りです。
上記はバイオ系の僕がよく活用しているシリーズでして、手元に置いておくと便利な書籍です。
実験スキルは先輩から学ぶことが一般的だと思いますが、先輩によって実験に対するこだわりが大きく変わります。
先輩が「めんどくさいな…」と思って省いた実験操作が、実は超重要な操作だったということも。
先輩から教わった実験操作が本当に正しいのかどうか?
そのやり方は本当に一般的なやり方なのか?
ということを客観的に把握するためにも、上記のような書籍で基礎的な実験方法を学んでおくのがおすすめです。
イラスト付きで解説してくれているので、視覚的にも記憶に残りやすいですよ。
情報収集力に関連する書籍
自分の研究領域で何が起こっているのか、今のトレンドは何か?ということを把握するためには下記書籍シリーズがおすすめ。
上記の「実験医学」シリーズはバイオ系なら必読ですね。
毎月発行している書籍で、毎月違う研究分野の情報をまとめてくれているので最高です。
僕は所属していた研究室で当シリーズを定期購読してくれていたのですが、毎月楽しみでしょうがなかった。
自分の専門分野に留まらず最先端研究領域をザックリと理解するために、これほど研究者を助けてくれる書籍はないです。
ただ学生でこれを定期購読すると、さすがにお金が厳しい…。
それゆえ研究室のボスに定期購読をお願いするか、欲しいと思った月だけ買うのが良いかと!
あと書籍とは別に研究ニュースサイトなども活用すると、さらに情報収集力を磨くことができます。
それに関しては弊ブログ記事にてまとめておりますので、下記から是非ともどうぞ。
プレゼン力に関連する書籍
研究のプレゼン力を磨くためにおすすめしたい書籍は下記の通りです。
「TED」という英語プレゼンサイトを、あなたはご存知ですか?
世界的著名人たちがこぞってプレゼンをしてくれている超優良サイトです。
英語プレゼンなので語学力の勉強にもなる優れもので、しかも上記サイトのプレゼンターは軒並みプレゼンが上手い!
プレゼンは「情報伝達の場」ではなく「エンターテインメント」なんだということを悟らせてくれます。
上記でおすすめした書籍は、そのTEDトークでのプレゼン術をギュッとまとめてくれたもの。
僕はこれらの書籍を学会前とか、社内プレゼン前によく見直しています。
プレゼン力は「才能」ではなく「努力」でいくらでも伸びるものです。
だから研究初心者のうちから「プレゼンとは何ぞや?」ということを学んでおくと後々必ず活きます。
「あいつのプレゼンはなぜかわからんけど聞き入ってしまう…」
と言わせるレベルになるためにも、上記書籍で世界最高のプレゼン術を学んでおきましょう。
上記書籍は「ダメなポスター・スライド」を赤ペン先生方式で修正していく過程を載せてくれています。
何パターンも紹介されているので、自分の気に入ったものを選択して真似ればわかりやすいポスター・スライドになりますよ。
文章力に関連する書籍
文章力を身に付けるために、僕が普段から愛用している書籍は下記2つです。
上記2冊はAmazonとかで調べてもらえばわかると思いますが、レビューもかなり評価が高いです。
研究初心者でない(と信じたい)僕でも愛用しているし、企業研究者になった今でも役に立っています。
正直、買わない理由がないレベルですね…笑
ちなみに2冊目の書籍は100万部売れて、今では「まんがでわかるシリーズ」にもなっています。
活字を読むのがめんどい…という方はまず漫画から入るのもアリです!
文章力がない研究者は、どれだけ努力しても自分の成果を周りに認めてもらえないという悲惨な結果になりがち。
自分はそんな悲劇には遭遇したくないと思っているなら、研究室に配属された今からコツコツ文章力を向上していきましょう!
語学力に関連する書籍
語学力を身に付けるためにおすすめしたいのが、最近出版された下記書籍!
英語学習2.0との異名通り、英語学習が続かない人たちへのアンチテーゼ的な内容になっております。
英語学習に挫折したことがある人にはぜひおすすめしたい書籍ですね。(僕のことです)
とはいえ当たり前ですが、これを読んだだけで語学ペラペラになるはずもなく、ある程度の作業量は必須。
ゴールが見えないと継続もしにくいので、個人的にはTOEICやTOEFLの勉強をコツコツやっていくのが良いのかなと。
ゴールもわからぬまま「リスニングもスピーキングもせよ」は拷問ですので。
特にTOEICやTOEFLのスコアは就活や転職にも役立つので、良いスコアを残す価値があります。
僕も社会人になってからの遅いスタートですがTOEICの勉強をガッツリしてて、TOEIC900点超えを目指してます。
研究室生活は常に研究だけをやるという環境でもないので、息抜き程度に語学勉強をするのがおすすめかと。
今ではスマホでTOEICの勉強ができる「スタディサプリ ENGLISH」とかのツールも豊富ですし。
上記アプリは僕も活用してますし、研究室なら実験のスキマにぽちぽちTOEIC勉強できますよ。
実験のスキマ時間にスマホでSNSとか見て時間を無駄にするなら、上記アプリで勉強してた方が絶対に良いですね。
英語学習2.0で語学勉強のやる気を出し、コツコツと語学力向上のために勉強しておくと社会に出てから後悔せずに済みます。
指導力に関連する書籍
後輩への指導力(=教育力)を磨くためにおすすめしたい書籍は以下の通りです。
ライフネット生命保険株式会社創業者の出口さん、元スターバックスCEO岩田さん、パナソニック創業者の松下さん。
僕が心から崇拝している方々の「指導論」に関する書籍です。
これらの書籍は僕が大学院生の頃に買ったのですが、いまだに学ぶべきことが多い神書ですね。
指導論って一般人が独自に見出すモノではなく、こういった著名人の考え方をトレースするのが大事なんですよね。
なぜなら社長という最も「指導力」が求められるポジションにいるわけですから。
マトモに人を指導したことがない人が我流で指導することほど愚かなことはない、と僕は大学院生の頃に痛感しています。
だからこそ大学院生の頃にこれら書籍を買ったのですが、ほんと人生変わったと思うくらい感銘を受けた記憶があります。
買って得することはあっても損することは絶対にない3冊ですので、研究初心者のあなたもぜひご一読を。
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研究初心者から脱するには実践あるのみ!
というわけで当記事は以上です。
これら書籍を読んで満足するだけでなく、背伸びしながら日々「実践」していくのが何よりも大事。
1冊ずつ熟読して、しっかりと自分の血肉にしてから次の書籍を読むのがおすすめです。
今回ご紹介した書籍が、あなたの研究力向上に役立てば幸いです。
スタートダッシュから同世代研究者と差をつけてやりましょう!
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