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【Peing】企業研究者は「学会」という存在をどう見ているか?素朴な疑問にお答えします!


この記事の所要時間: 62

こんにちは、バイオ系企業研究者の@ResearchKasouです。

Peingで以下の質問をいただきましたので記事にしようかと思います(/・ω・)/

 

控えめな発表になるのは企業の機密上どうしようもないことなんですよねえ…。

個人的にはもっと踏み込んだ所までディスカッションしたいという気持ちはあるんですが、秘密保持契約を結んでいない方とは研究の話が深くできないんです。(これが企業としての意見)

ですので、「企業研究者の学会発表が控えめな理由」よりも「なぜ企業研究者は学会では消極的で、熱いトークやディスカッションをしてくれないのか?(特に学生に対して)」に関して個人的意見をお答えした方が有益かと思います。

ただし学生にとっては少し厳しい意見になると思います…ご容赦ください。

結論だけ先に申し上げると、企業研究者も学会で熱いトークやディスカッションをめちゃくちゃしてます。

前提:企業研究者の学会参加時の心構え

国内外の学会関係なく、私が学会に参加する際には必ず以下のことをやってから学会に臨みます。学生の皆さん、この中でどれくらい自分と同じことができていますかね?良かったらチェックしてみてください。

 

  1. 学会プログラムが配布されたらそこに記載されている全ての発表内容に目を通し、“自分が”興味深いと思った発表にマークをつける(ここで大体、全発表数の10%程度になる)
  2. “自分が”興味深いと思った発表の中から、“自分の業務に直結する”と感じた研究にさらにマークをつける(ここでさらに聞きたい発表が減る、学会規模にもよるが全発表数の1~2%くらいに。)
  3. 上記を両方満たす発表に対して、その発表を行う研究室情報を調べる。ここで調べるのは「研究室の研究設備」「ここ5年間の研究内容変遷」「ここ5年間の業績(論文アブストには基本的に全部目を通す)」という情報。
  4. 3.までやって「やはりこの発表は聞く価値がある」と思ったら、学会要旨を参考にしながらどんな発表かをある程度予想して、1発表あたり質問を最低でも5個は考える。
  5. 「この発表を行う研究室とは確実に共同研究が組める or この研究室の先生とは必ず仲良くなっておくべきだ」と感じた場合、学会前にメールを送り、当日のお昼や学会終了後の夜に研究の話をさせていただけないかお願いする。

 

いかがでしょうか。

企業研究者が学会に参加する際には、実はかなりの予習をしていて、あらかじめ自分の中で決めた発表にしか興味がありません。内容を事前に全て見ているので、聞くべき発表を聞き逃してしまうことはめったに無いんですね。

学生の皆さんは、学会参加時にどのようなマインドセットで臨まれていますか?

企業研究者は「次なる研究の種探し」に全力懸けてますよ!

企業研究者にとって学会とは、少なくとも「学生と話す場」ではない

研究職を目指す学生にとって、大手企業研究者って憧れの存在ですよね。

私も学生の頃は大手企業研究者の方といかにお知り合いになって、いかに自分の研究の良さを知ってもらえるかをせっせと売り込んでいたのを覚えています。でも企業研究者の方からはそんなに興味を持ってもらえずに悔しさを感じていました。

でも自分が企業研究者になってみてその理由はよくわかりました。

企業研究者は「自分から積極的に学生と仲良くなる理由が無い」んです。

だって学生は企業との共同研究になり得る独自技術を持っていないわけですから。面白い発表を学生が行っていたら、その学生に質問するよりそこの研究室の教授陣にお話を伺ったほうがよっぽど良い。

厳しいようですが、これはしょうがないことなんですよね…。学生の段階で興味を持ってもらうためには、やはりそれ相応に凄いことをしないと。

例えば若手会の学生代表とかですかね?(多分、博士課程レベルだと思いますが)

修士で興味を持ってもらうとしたら英語論文を何本か持っているとかですかね?英語論文があると後から検索して調べることができますし、企業側としても社内に紹介しやすくなりますから。

企業研究者も学会でかなり熱いトークを繰り広げているが、それは一流ラボの方々とだけ

上記の話と似ていますが、今度は企業研究者はいつ学会で熱いトークを繰り広げるか?という話。

「前提」で記載いたしましたが、熱いトークになるのは企業側が事前にアポを取った先生とディスカッションしている時ですね。

いやーこのときは本当に興奮しますよ。アドレナリンがドバドバ出ているのがわかるくらい。

研究やっている方は皆そうだと思うのですが、研究のディスカッションするなら自分よりも圧倒的に研究者としてのレベルが高い人としたいと思いませんか?

有益なアドバイスをもらえる可能性が高いですし、自分の力不足を改めて実感してモチベーションアップにも繋がりますし。

これを考えると、やはり学生との熱いトーク・ディスカッションにはなりにくいんですよね…残念ながら。

学生の段階で企業研究者と熱いトークをしたいなら、ぜひ超ビッグラボに進むのが良いですよ。超ビッグラボのネームバリューで企業研究者の方もバンバン話しかけてきてくれるはずです。

 

まとめ

  • 企業研究者にとって学会とは、少なくとも「学生と話す場」ではない
  • 企業研究者も学会でかなり熱いトークを繰り広げているが、それは一流ラボの方々とだけ
  • 学生の段階で企業研究者と熱いディスカッションをしたいなら、それ相応の成果を出すこと。企業研究者の評価眼は非常に厳しいものだと思うべき。

 

いかがでしたか?

学生の段階で企業研究者を驚かせる成果を出すには、とにかく手を動かすこと。それが成果を生み出す最短の道だと個人的には思っています。

私は修士課程で卒業していますが、運良く指導教官や研究成果に恵まれて、英語論文は複数投稿することができました。

修士で英語論文は強いですよ。

学振にも通りますし、就活時に企業受けも良くなります。

博士課程に進む場合でも企業に進む場合でも、修士1年の終わりまでには英語論文1報をファーストで出せるように頑張ってみましょう!( ゚Д゚)

 

Peingで質問くださった方、誠にありがとうございます。

皆さんからのご質問、これからもドシドシお待ちしております!

追記

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興味深い情報が出てきたら随時更新していきます。

 

※最後まで読んでいただきありがとうございました。

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