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研究

大学院から外部進学する人へのアドバイス的な話(研究編)

バイオさん
バイオさん
修士課程を卒業後、現在は大手メーカーで研究と新規事業開発に取り組む、くりぷとバイオと申します。
Twitter:@cryptobiotech

 

マシュマロ(質問箱)で下記の質問をいただいたので、大学院から外部進学する学生さんに向けたアドバイス的な話をしてみようと思います。

 

現在、地方国公立大学に通う者です。来年度から旧帝大の院に外部進学するのですが、外部進学の人はこうした方がいいと言ったアドバイスをいただけないでしょうか?よろしくお願いします。

 

私が当時所属していた研究室では、同期の約3割が外部進学で大学院から入学してきた方でした。

その方々を見ながら「優秀だなぁ」とか「ここは考え方が違うのか」とか「もしかしたらこうしたらいいのかも」感じたことが多々あったので、それらに基づいて記事にします。

 

なお今回の質問は「研究編」「生活編」「就活編」の3部構成で回答します。

今回は前編として「研究編」について説明しますね。

どうぞご覧ください。

 

大学院から外部進学する人へのアドバイス(研究編)

研究者が青い液体が入ったフラスコを持っている写真大学院から外部進学するあなたに対して、研究に関するアドバイスは下記の通りです。

 

 

ただしこれらは「必ず遵守せよ!」みたいな強制力あるものではございません。

「こういう考え方もあるのか」とか「確かにこれは真似できそう」とか、あなた自身のアップデートに活用できそうな要素をうまく拾って吸収してくださいね!

それでは順々に解説していきます。

 

外部進学前(~4月)に所属研究室の論文を3~5年分読もう

英語論文を読んでいる人外部進学が決まった人は院試も終わり、あとは卒論執筆のために実験を積み重ねる状況だと思います。

卒論執筆のために様々な論文を読む過程で「大学院からの所属研究室が出している論文」も合わせて読んでいきましょう。

 

コロぽち
コロぽち
大学院入試の際に多少読んだと思うけど、注力領域とか使用実験スキルとか理解するために論文精読がおすすめ!
バイオさん
バイオさん
論文を読んでいてわからないことがあれば思い切って指導教官にメールで質問してみるのも良いと思います!

 

研究室の技術は3~5年でバージョンアップしたり、新たな技術を取り入れて進化します。

3~5年分の論文を読めば研究室変遷は把握できると思うので、卒論執筆の合間にでも閲覧しておきましょうね。

今なら英語翻訳ソフトとしてDeepL翻訳など神ツールがたくさんあるので、論文を読む際にそこまで困ることはないはず…!

 

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外部進学後(4月~)は内部進学者の誰よりも研究に没頭しよう

研究者がフラスコを持って実験に取り組んでいるところ内部進学者に少しでも早く追いつくため、最初の数か月は誰よりも研究に取り組みましょう。

理由は2つあります。

 

①:内部進学者に少しでも早く追いつくため
②:「外部進学のあの人頑張ってて凄いね」と印象づけるため

 

外部進学者は研究室文化(暗黙ルールなど)に疎く、その研究室で必要となる実験スキルも低い状態からスタートするので「新しい環境に慣れる時間をいかに短くできるか?」という思考がMUSTです。

プライドを捨ててわからないことは周囲に聞く、周囲よりも遅く帰る/早く行く、周囲よりも論文を読む/実験をする etc…

「研究室にいる時間」
「論文を読む量」
「周りに相談する回数」
「実験をする量」
「学部時代の知識を活かした提案」

など、何を定量的な達成指標にするかはあなた次第ですが、とにかく少しでも差を埋める(≒生産性を上げる)努力をする

 

結果的にその努力は周りの目に留まり、

「あの人めちゃくちゃ頑張ってすごいな」
「外部進学してきた人に負けてられない!」
「彼に新しい研究テーマを任せてみようか」

など、あなた自身だけでなく所属研究室にもポジティブな効果を多くもたらしてくれるはずです。

特に第一印象はほんと重要なので「良い大学に外部進学したこと」がゴールにならないよう気合いれて研究に取り組んでください!

 

なお研究の「生産性」を高めたいあなたには下記書籍がおすすめ。

私は社会人になってから読みましたが「これは学生時代に読んでおきたかったな」と感じた書籍です。

 

読めばあなたの研究生産性も上がること間違いなしなので、自己研鑽としてどうぞ。

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同期や先輩を手伝って実験スキルを迅速にインストールしよう

インストールと書かれた画像「同期や先輩を手伝う」は、めちゃくちゃ意識して実践しましょう。

研究室の実験スキルを学ぶには「研究室の先輩(or 同期)から教えてもらう」のが一番手っ取り早く、ぶっちゃけそれ以外に効率的な方法って無いんですよね…。

(指導教官に教えてもらうアプローチもありますが時間を取れないケース多し)

 

いかに先輩や同期から実験スキルを伝授してもらえるかが「外部進学先で成果創出する鍵」になると言っても過言ではありません。

それゆえ色々なアプローチを活用して実験スキルを伝授してもらうことがおすすめ。

たとえば以下のようなアプローチがあります。

 

①同期時に入ってきたB3, B4に混じって教えてもらう
②先輩や同期の実験を手伝う(メイン実験だけでなく後片付けなどの雑務なども)
③自分が取り組む研究の論文共著に入ってもらう代わりに徹底的に教えてもらう

 

研究室の論文ルールにもよりますが、③はかなり強力なアプローチ。

もしかしたら論文の共著に入ってもらう代わりに実験結果を出してもらえるかもしれない…など。

 

コロぽち
コロぽち
周囲の力を借りて迅速に成果創出する力は「ズル」ではなく「実力」だぞ。
バイオさん
バイオさん
研究室でも企業でも「巻き込み力」が本当に大事だと痛感する…。

 

もっと言えば「手伝う代わりに教えてくれ」というGIVE&TAKEよりも「私があなたの研究を進めるために必要なデータを出しますよ!」くらいのGIVE&GIVEがおすすめ

 

心理学の世界に返報性の法則というものがあります。

人は何かしらの施しを受けたとき、「お返しをしなくては申し訳ない」気持ちになるというアレです。

 

研究室に入って数か月は、相手から「さすがに何か返さないと申し訳ない」と思ってもらえるくらい圧倒的なGIVE意識で行動するのが良いでしょう。

その行動はあなたへの支援量を増やし、結果的にインストール速度も上がり、成果創出までの時間が短縮できます。

 

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全て一人で解決したいプライドはゴミ箱へ捨てよう

新しい環境に飛び込んだ時こそ「全部一人でやり切る思考」はゴミ箱に捨てましょう。

1人で何でもやろうとする思考は一見「責任感が強い」や「行動力がある」とポジティブに捉えられるかもしれませんが、実際はその逆だと考えてください。

「非生産的」
「ただの玉砕特攻」
「コミュニケーション能力に欠ける」
「優先順位をつけられない優柔不断な人」

1人で何でもやろうとする思考は、上記のような評価を周りからされてしまうかもしれませんよ。

 

バイオさん
バイオさん
これ実際に自分が社会人になりたての頃に上司や先輩に言われたことなんですよね…。
コロぽち
コロぽち
「1人で何でもできるスーパーマンになりたい欲」を持っているやつはホント注意した方がいいぞ。

 

なぜ1人でやろうとするのがダメなのか。

たとえ話として私の体験談を紹介させてください。

 

私が社会人として仕事をやり始めて半年ほど経った後、上司から「とある実験」を仕事として与えられました。

自分としては初めてやる実験で、どんな検討方法を採用すべきか、実験結果を得るのにどれくらい時間がかかるかなど、色々わからないことだらけ。

にも関わらず「ここで“やり方がわからないので教えてください”なんて言ったら相手をガッカリさせてしまうのでは…?」と愚かにも思った私は「承知しました!できます!」と見栄を張ってしまいました。

 

コロぽち
コロぽち
これ絶対あとで怒られるやつじゃん。
バイオさん
バイオさん
・・・・・・・

 

さて見栄を張ったは良いものの何から始めようか…。

とりあえず似た実験をしている論文を調べて「これならできる!」と自分が納得するまで黙々と実験プランを練る生活を数週間続けました。

(他にやるべき業務と並列して検討していたので結構時間がかかった)

 

そして数週間後、上司から「あの実験どうなった?」との確認が…。

私「まだ実験やっていません…」

上司「え、時間かかりすぎ。先輩のAさんが普段からやっている実験なんだから、わからないならまず人に聞こうよ」

と苦言を呈される始末。

 

今振り返ると「いつまでにやるべきか」も聞かず、わからないのに周りに頼る発想にもならず、THE・仕事できない人の典型例でしかなかったですね。

 

そこでようやく「1人黙々と論文読んでたこの時間って無駄な時間だったんだ」と悟り、先輩に思い切って相談したところ、なんと翌日には綺麗な結果が!

まさか1日あれば終わる実験だったとは…。

そんなこともわからなかった自分が心の底から情けなくなりました。

 

コロぽち
コロぽち
お前、これ院生の頃もやらかしてなかった?
バイオさん
バイオさん
「頑張って自分で調べてやる」よりも「知ってそうな人に聞いて手伝ってもらう」ことの重要性を再実感しました…全然学習してなかった…

 

このように、新しい環境に飛び込んだ時は自分の変なプライドが邪魔をして見栄をはりがち。

・上司や先輩に無能だと思われたくない。
・「この新人できるやつだ」と思われたい。
・1人で何でもできるようになりたい。

こんな感情が押し寄せてくるかもしれませんが、成果創出の妨げにしかなりません。

 

「人に頼る力」は社会人で重要視されるスキルの1つなので、大学院生のうちから人に頼る練習を積極的にしておきましょう!

 

とはいえ「人に頼る」って具体的に何をすればいいの?という方は下記書籍を是非読んでみてください。

 

コロンビア大学の社会心理学の第一人者ハイディ・グラント氏がまとめた「人に頼む技術」。

実験例を豊富に用いて「助けを求めたい人」と「助けを求められる人」の深層心理を解説しており、読むと目からウロコが落ちまくります。

人に頼るのが申し訳ない…と少しでも思っている方は絶対に読みましょう。

 

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毎日科学を楽しもう(あなたの知的好奇心をとことん追求しよう)

化合物やフラスコなど科学に関係するイラストがまとまった画像内部進学ではなく外部進学までして新しい学問に取り組むのであれば、たとえゼロからのスタートでも「日々の“わからない”にワクワクする心理状態」を維持するべき。

あなたの内に秘められた知的好奇心を大事にして「科学を楽しむ」ことを追求してください。

 

コロぽち
コロぽち
たとえ「就活」や「将来キャリア」のために外部進学したとしても、研究を避けることはできないので楽しんだもの勝ちだぞ。
バイオさん
バイオさん
好きこそものの上手なれ。楽しんで好きに研究をやっている人の作業量は圧倒的です。

 

私事ですが、私はM1中盤から一念発起して「1日1報論文を読む生活」を、研究職→新規事業開発職にキャリアチェンジするまでずっと続けてきました。

5~6年は毎日続け、かつ1日3報読むときもあったので、おそらく読んだ論文は3,000本以上になっていたと思います。

なぜここまで継続できたかと言えばやはり、研究が面白い、研究が好きだと思えるようになったから。

たとえ自分に研究の才能が無かったとしても、研究を楽しむことはできる。

 

コロぽち
コロぽち
ちなみにコイツはB4の頃、不真面目すぎて何度も教授や先輩に怒られてたダメ野郎だったぞ。
バイオさん
バイオさん
「才能ないから研究やめたら?」と何度言われたことか…。知識と経験が蓄積されてからようやく研究の楽しさがわかるようになったんですよね。

 

是非あなたの知的好奇心に沿って毎日科学に触れ、何らかの行動を習慣化してみてください。

その行動を定量化できれば研究の成果創出にも繋がりますし、就活でも自己アピール(ガクチカ)として活用できる取り組みになりますよ。

 

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大学院から外部進学する人は「不安」よりも「希望」を大事にしよう

外から光が差し込む扉というわけで『大学院から外部進学する人へのアドバイス(研究編)』に関して解説しました。

最後にもう一度だけ復習して、参考になりそうな部分を真似してみてくださいね。

 

 

外部進学で環境が変わったら、最初はストレスも溜まりがちですが、そんな時こそ「自分は何のために外部進学したんだっけ?」と振り返ってみてください。

キャリアのためか、就活のためか、学歴のためか、etc…

人によって様々な思惑があると思いますが、いずれにせよ新しい環境で成果を出さないとその思惑が花開くことはありません

新しい環境に適応しながら、ぜひ新しい研究を全力で謳歌してくださいね!

 

というわけで当記事は以上です。

ではではっ

 

バイオさん
バイオさん
Twitterでも有益情報を発信しております。ぜひフォロー(@cryptobiotech)してくださいね!

 

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ABOUT ME
くりぷとバイオ
研究を一生続けていくため、まずお金の不安を解消すべく副業を始めた20代科学者。 旧帝大を修士で卒業後、大手企業で基礎研究職に従事。 研究室時代はストレスで心身を病みながらも日夜実験に取り組み、運良く筆頭著者論文を複数投稿することに成功した苦労人&棚ぼたマン(自称)。 暗号資産の面白さ・可能性に惚れこみCoinMarketCapの銘柄を全部調べた経験あり。