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Pluto | インパクトファクターに終止符を。既存の学術論文投稿システムにメスを入れる仮想通貨とは?

こんにちは、バイオ系企業研究者の@ResearchKasouです。

前回の「ScienceToken」と似たビジョンを持つ仮想通貨「Pluto(PLT)」に関して解説していこうと思います(/・ω・)/

既存の論文投稿システムに異を唱える科学者が増えるのは嬉しい限りですね!論文投稿で数十万も取られてたら研究にならないので、早く非中央集権型の論文投稿システムが世の中に普及してほしい。

 

Plutoとは?

「Pluto(PLT)」はPluto Network社が提供する「次世代の論文検索や論文レビューシステムプラットフォーム」で使用されるERC20トークンです。

Pluto Network社は以下のことをミッションとして掲げています。

Pluto makes scholarly communication efficient, reasonable and transparent,
decentralizing the system from potential control by any single party.

Plutoはあらゆる団体による中央集権的なシステムを非集権化できる「効率的で、合理的で、透明性の高い学術コミュニケーションの場を提供します。

学術コミュニケーション:研究や他の学術文書を作成して評価し、学者に配布し、将来の使用のために保存するシステム

 

科学界における現在の論文投稿システムとは?

学術論文はその科学者の評判や社会的地位に大きく関係し、「学術論文の投稿数」や「学術論文の引用数」はその科学者の力量を直接示しているといっても過言ではありません。

では科学者にとって「命」の次に大事なものともいえる「学術論文」は、どうやって世の中に出版されているのでしょうか?

以下の図をご覧ください。論文が出版されるまでの流れです。

1:論文執筆者は投稿したいジャーナル誌に自分の論文を提出する(例:Nature誌)

2:その出版誌の編集者(エディター)はその論文が出版誌の趣旨に合っているかどうかを判断する。ここでGOサインが出なければ論文は「不受理(リジェクト)」になる。トップジャーナルだとここの判断が数時間ということも(自分の体験談)。

3:エディターが興味深いと感じたら、査読者(レビュワー)を複数人選出し、実際に論文が出版に妥当かどうかを判断してもらう。この間、約1~2ヵ月。

4:査読者がこの論文の出版を承諾した場合、晴れて出版になる。残念ながらここでリジェクトをくらってしまう論文も多い。

5:無事に出版へ。投稿したジャーナル誌がオープンジャーナル誌(購読料がかからず、世界中の誰もが無償で購読可能な出版誌)の場合、論文執筆者は「出版料」を支払います。

 

Pluto Networkが考える現在の論文投稿システムの課題

適切な論文評価指標の欠如

今の科学界は出版されている論文の質を「インパクトファクター(影響指数:IF)」という数字で判断する傾向があります。

これは各ジャーナル誌が有する数字で、この値が高ければ高いほどそのジャーナル誌は科学に対して強い影響力をもつとみなされます(例:Nature誌、Science誌、Cell誌)。

しかし、これはジャーナル誌自体の影響力であって、そのジャーナル誌に投稿された論文がすべて高い影響力をもつとは限りません。

例えば韓国で最も引用数が多い323報の論文のうち、63%は平均的IFのジャーナル誌よりも低いIFジャーナル誌に投稿されたものだそうです。このデータを考慮すると、IFが高いジャーナル誌の論文が必ずしも他の科学者の役に立っているわけではないということが言えますね。

 

出版社の寡占市場

ジャーナル誌は学術コミュニケーションの場において非常に強い影響力を発揮します。現在、最も力を有すると言われる出版社に「Elsevier, Springer, Wiley-Blackwell, Taylor&Francis」がありますが、これら4社で世界のジャーナル誌の35%を占めているとのことです。

当然これら著名の出版社が発行するジャーナル誌は高いIFを有するジャーナル誌であることが多く、科学者はこぞってこれらのジャーナル誌に投稿したがる傾向があります。

これが繰り返されるほど出版社は力を増していき、どんどん利益を上げていきます。さらに、論文投稿料を上げても科学者は頑張ってこれらのジャーナル誌に投稿しようとしてしまいますから負の連鎖は止まりません。

今、論文出版料は毎年平均して10%ずつ上がっているという試算もあるようです。恐ろしいですね。

 

ピアレビュー(査読)システムの崩壊

科学者はただ自分の研究成果を世に発信すればいいだけではなく、他人が出した論文が妥当かどうかを評価しなければなりません。これをピアレビューシステムと呼びますが、驚くべきことに、科学者は「無償で」この評価を出版社から引き受けています。出版社は投稿料や購読料で莫大な利益を得ているのにも関わらず、です。

どんな仕事でもそうだと思いますが、「タダでやらされている仕事」ほど雑になる仕事はないと個人的には考えています。

それを示すデータとして、2017年の春にSpringer社が発行するジャーナル誌「Tumor Biology」でなんと107報もの論文が査読不正を理由に撤回されるという事件が起こりました。この事件の詳細は「ガン関係の学術誌、論文107本を撤回。ニセの査読にだまされる」をご覧ください(別の方のブログ記事から引用させていただきました)。とても詳しく記事にまとめてくださっています。

この例を見ると、現在のピアレビューシステムが完全なものではないということは明らかですね。

また、最近は時代の流れか、「ピアレビューを依頼されても意欲が湧かない」という科学者の割合が増加しているようです。まあ「無償で」依頼されている時点でやる気が湧かなくてもしょうがないですよね。自分の研究成果を出さないと次の仕事が無いという厳しい科学界で、他人の研究まで見ていられる余裕なんてないのでしょう。

上記課題を解決するPlutoプラットフォームの特徴

ではPlutoプラットフォームはどのように上記の課題を解決するのでしょうか?

研究業績の適用拡大

Plutoプラットフォームでは「学術論文が科学者の質を決定づける」という科学界の暗黙のルールを撤廃します。科学者はこのプラットフォーム上に科学の進歩に貢献するありとあらゆる潜在的情報(提案、研究アイデア、仮説、実験デザイン、プロトコル、実験データ・解析データ、出版された論文のレビューなど)を投稿することができるとのこと。

学術論文が出せなくても、良い研究アイデアや良い視点を持った科学者はこの世界にたくさんいます。特に企業で働く科学者は「特許化」がゴールで論文を書かない人も多い。

特に企業においては「新規ビジネスになるか?」という視点がもの凄く重要で、科学的にどれくらい価値があるかは二の次になるケースもしばしば。ビジネスにはならないかもしれないけど、科学的には意義がある研究になるかもしれないアイデアなどを企業研究者が世の中に発信すれば、それが価値を持つ可能性があるわけですね。

これは個人的にものすごく興味深い点だと考えています。企業もアカデミアも関係なく、自分が所属する組織で自分の新規アイデアが受け入れられなかった場合、それはゴミになります。でももしかしたら他の組織では役立つ可能性があるかもしれませんよね。そういったものをこのプラットフォーム上で投稿しておけば、そのアイデアを活用してくれる人がいるかもしれない。しかもその活用によって自分にはトークンが入る可能性がある。いやー最高ですよ、それは。一石二鳥とはまさにこのことです。

 

刷新された研究成果の評価方法

Plutoプラットフォームでの論文の評価は、プラットフォーム上のどの参加者もレビューできます。

筆者は論文投稿と同時にPLTトークンを査読者のために支払います。ただし、PLTトークンをどれくらい支払うかは投稿者にゆだねられています。つまり、投稿時に多くのトークンを支払えばそれだけ早く論文を評価してもらえる可能性が高まり、逆にトークン量が少なければ論文を評価してもらえる可能性が低くなります

また、論文は査読に必要な情報(本文、結果)のみが査読者に公開され、投稿者・査読者の情報は査読が完了し、出版されるまで相手側に公開されることはありません。

また、論文自体のレビューは「ブラインド期間(投稿前)」と「公開期間(投稿後)」の2種類に分類され、レビューによってPLTトークンがもらえるのはブラインド期間に査読を行った科学者に限定されます。一方、公開期間中に行われたレビューが仮に有益なものだった場合、そのレビューを行った科学者は「評判スコア」が向上します。

査読が完了して無事に論文が投稿されると、その査読に関わったレビュワー達に報酬(PLTトークン)が支払われます。投稿者が払ったトークンのうち、半分は「投稿者が“意義あると感じた”レビュワー(投稿者が評価できる)」に分配され、半分は査読に関与した全てのレビュワーに対して配布されるとのこと。この配布量はPlutoプラットフォーム上の科学者の「評判スコア」に従って決定されます。

このシステムは面白いですね。良いレビューをすればするほどPLTトークンがもらえますし、純粋に研究者としての能力が高ければ公開後の論文に対して有益なコメントをして「評判スコア」を上げることができる。評判スコアが高ければ投稿者から査読で有益なレビュワーとして選出されなくても、十分なレビュワー報酬が獲得できるかも…。

 

ロードマップ

Plutoのロードマップは2018年3月現在、次の3ステップが明示されています。

・Phase1(1Q, 2018)
既報文献のデータベース化
引用関数、影響指数の見える化(個々人の影響力を可視化するシステムだと思います)
研究者の本人確認システム構築
出版された論文に対しての評価システム構築

・Phase2(2Q~3Q, 2018)
文献データベースのためのAPI(Application Programming Interface)導入
ブロックチェーンへのデータ移行
ブロックチェーンアカウントも用いた分散型認証プラグインの導入
他のプラットフォームにも適用可能なポータプル評価システムの導入

・Phase 3 (4Q, 2018)
ブロックチェーン上で論文投稿用のプラットフォームを展開
他の研究用・論文投稿用プラットフォームとの統合
トークンの配布

 

 

Pluto開発陣

・Junseon Yoo(Project Lead)
POSTECH(浦項工科大学)在学中に物理学から産業工学に専門を変更。そこでエンターテインメント、ソーシャルメディア、VR技術に関して学ぶ。2016年にイーサリウムに出会い非集権化に興味を持ち、現在のプロジェクトを立ち上げた。

・Hyeon Lee  (Technology Lead)
POSTECH在学中はコンピューターサイエンスに従事。今はコンピューター設計、データマイニング、人工知能に興味を持っている。アンドロイドアプリ開発やウェブプログラミング開発などの経験を有する。

・Taeheon Lee  (Back-end Engineer)
POSTECHで電気工学を履修後、大規模サーバーモニタリングシステムの開発やビッグデータハンドリングを手掛ける。

・Mill Shin(Front-end & Project Manager)
Chung-Ang University(中央大学校)の経済学学士を取得後、ITスタートアップのデベロッパーとしてキャリアを積む。現在は韓国政府からオープンソースコミュニティに投資を手掛ける機関KossLabからのGlobal Open Frontier programに参加。ブロックチェーン技術の開発に勤しむ。

今の所、ブロックチェーン界の大御所などを捕まえているわけではないみたいですね。もしかしたら外部アドバイザーとしているのかもしれないけど、ホワイトペーパー内には記載がありませんでした。

 

Plutoに関するニュース情報

2017年12月18日に投稿された記事Could Bitcoin technology help science?)でPlutoが紹介されています。科学界もブロックチェーンに注目しているということが伺えますね。(なお、ScienceTokenも同記事で紹介されていました)

ScienceToken | 科学に根付く旧式システムを根底から覆す仮想通貨とは?こんにちは、バイオ系企業研究者の@ResearchKasouです。 仮想通貨のScienceTokenに関して解説していこうと思い...

 

総括

いかがでしたか?

ScienceTokenにせよPLTにせよ、論文執筆者と論文査読者が報われるシステムが実現するかも?という部分にはとても期待しています。

Plutoはロードマップ的には今年中にトークンの配布を実施するようです。彼らが創る非集権的プラットフォームには期待が持てますね。このプラットフォームが世の中に浸透するようになれば、研究者は査読で研究開発費を稼げるようになり、研究費で悩む時代が無くなるかもしれません。

※この記事は皆様に投資を促すものではございません。投資は自己責任でお願いいたします。

追記

追記はまだありません。

興味深い情報が出てきたら随時更新していきます。

 

 

※最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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 これからもよろしくお願いいたします。

 

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